今すぐサイバーセキュリティ態勢を強化する7つの方法

フィジカルセキュリティシステムの強化をお考えですか? 現在のサイバーセキュリティ対策強化に役立つ注目の7つのツールを見る

2025年までに、世界のサイバーセキュリティ関連支出は4,589億ドルに達すると予測されています。この傾向を裏付けるように、最近のフィジカルセキュリティ業界に関する調査では、今年だけでも、今年中にフィジカルセキュリティ環境の改善を目的として、サイバーセキュリティ関連ツールへの投資を検討している組織が43%にのぼることが明らかになりました。

サイバー攻撃の頻度や巧妙さが年々増している現状を考えれば、これは当然の動きとも言えます。米国サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁 (CISA) は、2021年11月以降、既知の悪用された脆弱性カタログの更新を続けており現在では900件以上のエントリーが登録されています。

カナダのサイバーセキュリティセンターもQakbotマルウェアの継続的なインシデントに関する警告を発表しました。また、英国の国家サイバーセキュリティセンターやオーストラリアのサイバーセキュリティセンターも、「不審なリンクをクリックしないように」という注意喚起が依然として十分に浸透していないことを指摘するブログを公開しています。

ITチームがあらゆる努力をしている一方で、使用可能なツールを正しく把握することが、組織のサイバーセキュリティ態勢をさらに強化する鍵となります。既存のフィジカルセキュリティシステムを強化するための7つの効果的な方法については、次をお読みください。

 

 

パスワード管理の強化

デバイスのパスワードを定期的に更新することは、現代のセキュリティ対策において欠かせません。パスワードは不正使用や漏洩のリスクが常にあるため、定期的な変更と継続的な管理が重要です。

英数字や記号を多様に組み合わせた強力なパスワードを使用することで、悪用されるリスクを大幅に減らすことができます。しかし、毎回強力なパスワードを考えるのが面倒と感じている方も多いのではないでしょうか。当社はその気持ちをよく理解しています。

Security Centerでは、内蔵型のパスワードマネージャーを活用することで、サポート対象のデバイスメーカーの規定に準拠した、強力で乱数化されたパスワードを自動生成できます。また、カメラのパスワードを一定のスケジュールやバッチ処理で自動的に更新するよう、システムを設定することも可能です。

ソフトウェアおよびファームウェアの更新を自動化

ソフトウェアやファームウェアを常に最新の状態に保つことは、サイバーレジリエンスを維持するために極めて重要です。多くの場合、製品の更新版には新たに発見された脆弱性への対応や、重要な修正が含まれています。

しかし、複数のベンダー製品を運用している環境では、すべての最新版を把握し続けるのは非常に手間と時間がかかる作業となる可能性があります。

Genetecアップデートサービスは、新製品の更新版が利用可能になると通知を送信し、常に最新の修正を適用できるよう支援します。これにより、既知の脆弱性に対応することが可能です。

ファームウェアボールトは、新しいIPカメラ用ファームウェアのリリースを即座に知らせるツールです。数回クリックするだけで、更新のダウンロードと配布が行えるため、最新の防衛対策を迅速かつ確実に実装できます。

多重保護層の実装

最も効果的なサイバーセキュリティ戦略には、複数の防御層を組み合わせることが求められます。基本的なレベルにおいては、強力な暗号化、承認、および認証手段を活用し、データを安全に保ち、悪意あるユーザーによる不正アクセスを防ぐことが重要です。

この基本的な対策レベルを超え、さらに高度なセキュリティ態勢を構築するためには、多要素認証の導入が不可欠です。

これには、以下の3つの主要な要素を組み合わせることが含まれます。

1. 知識情報: ユーザー名やパスワード、またはPINコードなど、本人だけが知っている情報

2. 所持情報: 証明書、トークン、電話認証アプリなど、本人だけが所有しているもの

3. 生体情報: 指紋や顔認識など、本人の身体的特徴に基づく認証情報

また、システムへのアクセス権限の定期的な見直しと更新も重要です。ユーザーごとに必要な最小限のアクセス権を付与する原則に基づき、アプリケーションやデータへのアクセスは、業務上必要なユーザーのみに限定する必要があります。これらの作業は、Security CenterのConfig Toolに搭載された権限トラブルシューティング機能を活用することで実行可能です。このツールを使用すれば、ユーザーに割り当てられている特権を詳細に調査し、不要または不適切な権限を見落とすことなく特定できます。権限のトラブルシューティングでは、次の情報を検索しエクスポートすることが可能です。

• エンティティビュー - 選択したエンティティにアクセスできる権限を持つすべてのユーザーを表示

• ユーザービュー - 選択したユーザーまたはグループに付与される権限を表示

• 特権ビュー - 特定の特権が付与されているユーザー、または特定のエンティティにアクセス可能なユーザー、またはその両方を表示

これらの情報を活用することで、アクセス権限の構成状況を明確に把握し、不要な特権の見直しや最適化を迅速に行うことができます。

内蔵型のメンテナンスツールの活用を開始する

フィジカルセキュリティシステムを安全に維持することは、時間とコストの大幅な削減につながります。多くの組織では、すでにシステムの健全性やパフォーマンスの評価を定期的に実施しているかもしれません。しかし、緊急対応や他の優先事項が発生すると、システムのメンテナンス作業は後回しにされがちです。

フィジカルセキュリティシステムの健全性を監視する方法をシンプルにしたいと思いませんか? Security Centerには、メンテナンス作業を支援する以下のツールが備わっています。ご確認ください。

  • System Availability Monitor (SAM) - システムコンポーネントの状態を常時監視し、デバイスがオフラインになった場合などに即座にアラートを送信します。

  • セキュリティスコアウィジェット- システムのセキュリティをリアルタイムで追跡し、推奨アクション事項に基づいてスコアを改善し、サイバーセキュリティ態勢を強化できます。

プライバシー関連法令へのコンプライアンスを強化

世界各国で、データ保護とプライバシーに関するフレームワークが進化しています。一般データ保護規則 (GDPR) をはじめ、各国政府は違反に対して厳しい罰則を科す独自のデータプライバシー法を導入しています。

常にプライバシー保護を重視することは、単にサイバーセキュリティイニシアチブを強化するだけでなく、法的リスクの軽減や顧客との信頼関係の構築にも直結します。

ライブまたは録画映像に映る個人を匿名化する内蔵型プライバシー保護モジュールKiwiVision™の活用から、映像保持スケジュールの自動化に至るまで、これらすべての機能を活用することで、より高度なコンプライアンスの維持が可能になります。Genetec Clearance™による証拠管理機能を利用すれば、要求に応じて個人データを安全に共有できるため、繰り返し改正される法令への対応もより効率的に行えます。

ハイブリッド職場環境の導入

健康面の危機的状況はほぼ収束したものの、リモート勤務は今後も継続される見込みです。現在、多くの企業がハイブリッド職場環境を採用しており、ITチームは、ネットワークやシステム、ポリシーを柔軟に適応させ、従業員が必要なときに自宅から安全に業務を行える環境を整える必要があります。

クラウドおよびハイブリッドクラウドソリューションを活用することで、チームは常に最新の脅威に対応可能です。世界中の複数拠点で事業を展開している場合、多数のオンプレミスシステムの保守およびセキュリティ管理が複雑化しやすいためです。

クラウドサービスの導入により、先述の最新の内蔵型サイバーセキュリティ機能に即座にアクセスできるほか、最新版や修正版が公開され次第、迅速に適用可能となります。また、セキュリティシステムをオンプレミスで運用しつつ、動画データをクラウドにアーカイブすることもできます。これにより、さらに高いレベルの冗長性と可用性の向上が期待できます。

サイバー志向のベンダーと協力する

サイバー脅威への対処は、単独で取り組むべき課題ではありません。リスクを最小限に抑える最良の方法のひとつは、サイバーセキュリティに真剣に取り組んでいる信頼性の高いベンダーと連携することです。このようなベンダーは、ソリューション開発の段階からデータ保護とプライバシーを重視しており、サイバーセキュリティおよびプライバシー機能がデフォルトで有効になるよう設計されています。

さらに、信頼できるベンダーは新たな脅威を継続的に監視し、既知の脆弱性に関する情報を適時提供するとともに、迅速な対応のための戦略や修正プログラムを共有します。

こうした取り組みの一環として、ベンダーは顧客向けにセキュリティ強化ガイドも提供します。例えば、Security Center 5.11強化ガイドでは、基本から高度なセキュリティ機能までを網羅し、システムやデバイスを安全に保つための具体的な推奨事項が提供されています。

 

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